イソトレチノイン（難治性ニキビ治療薬）

当院での取り扱いについて

M＆B美容皮フ科クリニックでは、重度または難治性のニキビに対して高い効果が期待できる経口治療薬、イソトレチノイン製剤「アクネトール」を取り扱っています。
イソトレチノインはビタミンA誘導体の一種で、海外、特に米国では30年以上にわたり第一選択薬として広く使用され、「ニキビ治療の切り札」とも呼ばれています。
本剤は日本国内では未承認医薬品ですが、当院では医師が十分に適応を判断し、安全管理のもとで処方を行います。

主な効果

皮脂分泌の強力な抑制皮脂腺を縮小させ、皮脂量を大幅に減少。アクネ菌の増殖を抑えます。角化の正常化と毛穴詰まり予防面皰（コメド）の形成を防ぎ、再発しにくい肌状態へ導きます。抗炎症作用
赤みや腫れなどの炎症を軽減します。

瘢痕形成の予防
重症ニキビによる萎縮性瘢痕を防ぐ効果が期待できます。

高い治療成功率と低い再発率
適切な累積投与量（120〜150mg/kg）を目指すことで、治療後数年間の再発を防ぐ可能性があります。

こんな方におすすめ

・他の外用薬・抗生物質で改善が見られない

・炎症性ニキビ（結節性・嚢腫性）が繰り返し出る
・ニキビ体質を根本から改善したい
・治療回数を少なく、高い効果を求めたい
・瘢痕（ニキビ跡）の予防を重視したい
・酒さ（特に丘疹膿疱性酒さタイプ）で標準治療に反応しない

主な副作用

禁忌（服用できない方）

・妊娠中・授乳中、または妊娠を希望している方
・15歳未満の方、成長期で骨端線が閉じていない方
・イソトレチノイン・ビタミンA・カプセル成分（大豆油等）にアレルギーがある方
・重度の肝障害・腎障害、脂質代謝異常症のある方
・ビタミンA過剰症の方
・精神疾患で治療中または既往があり、医師が不適と判断した方
・炎症性腸疾患の既往がある方
・テトラサイクリン系抗菌薬内服中の方
・治療中〜終了後1か月以内に献血を予定している方
・服用中〜終了後6か月以内にレーザー治療・ケミカルピーリング・ワックス脱毛など皮膚損傷を伴う施術を予定している方

副作用

よくある副作用
皮膚・唇・目の乾燥（口唇炎、ドライアイ、鼻粘膜乾燥）
一時的なニキビの悪化（好転反応）
筋肉痛・関節痛
頭痛、めまい、倦怠感
まれだが重篤な副作用
肝機能障害・脂質異常症
精神症状（うつ、精神病、自殺念慮など）
視覚・聴覚障害
偽脳腫瘍（頭蓋内圧亢進症）
重症薬疹（SJS、アナフィラキシーなど）
炎症性腸疾患

安全な服用のために

守ってもらうこと

妊娠を避けるため、治療開始1か月前〜治療終了後1か月間は男女ともに確実な避妊を実施してください。
女性は治療期間中、毎月の妊娠検査が必要です。
医師の指示なく中断・再開はしないでください。
他薬・サプリメントとの併用は必ず医師に申告してください。
日本国内では未承認のため、必ず医師の診察・処方で使用してください。個人輸入や通販購入は重大な健康被害の恐れがあります。

当院の管理体制

当院では、患者様一人ひとりの症状や生活背景を考慮し、以下の安全管理を徹底しています。
治療前検査（血液検査・妊娠検査・既往歴確認）
治療中の定期的な血液検査・問診
必要に応じた用量調整と副作用対策
他科（婦人科・精神科・眼科など）との連携

よくある質問（FAQ）

Q1. 服用を始めてから効果が出るまでどれくらいかかりますか？

A. 一般的には、服用開始から1〜2か月で皮脂量の減少や新しいニキビの発生抑制を実感し始めます。初期には一時的にニキビが悪化する「好転反応」が出ることもありますが、多くは自然に改善していきます。最終的な効果判定には3〜6か月程度の治療期間が必要です。

Q2. 治療中はメイクやスキンケアをしても大丈夫ですか？

A. メイクは可能ですが、肌が乾燥しやすくなるため、低刺激・保湿重視のスキンケアをおすすめします。ピーリング成分や高濃度レチノールなど刺激性の高い化粧品は避けてください。クレンジング・洗顔もやさしく行い、摩擦を最小限にしましょう

Q3. 治療終了後もニキビは再発しませんか？

A. 適切な累積投与量（120〜150mg/kg）を達成した場合、数年単位でニキビが再発しにくい状態が維持できるケースが多く報告されています。ただし、ホルモン変動や生活習慣によって再発する可能性はゼロではありません。終了後も肌の状態を見ながら、外用レチノイドや保湿ケアなどの維持療法を続けることが推奨されます。