ボトックスで頭痛が出る?それとも治る?知らないと危険な副作用と対処法|M&B美容皮フ科クリニック|東大阪市の美容皮膚科

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ボトックスで頭痛が出る?それとも治る?知らないと危険な副作用と対処法

ボトックスで頭痛が出る?それとも治る?知らないと危険な副作用と対処法
美容皮膚科・ボトックス

「ボトックスでシワをなくしたいけれど、頭痛が出るって本当?」「逆に、頭痛治療にも使われるって聞いたけど…」――美容目的でボトックスを検討している方の中には、このような疑問や不安を持つ人が少なくありません。実際に、ボトックスは世界的に慢性片頭痛の治療薬としても承認されている一方で、美容施術の副作用として一時的に頭痛が起こることもあります。

本記事では、「ボトックスで頭痛が出る場合」と「頭痛が改善する場合」の違いを整理し、さらに頭痛が出たときの正しい対処法と予防策についてわかりやすく解説します。読んだあとには、不安を解消し、安心して施術を検討できるようになるはずです。

1. 美容ボトックスで「頭痛」が出ることはある?

ボトックス注射は、シワの改善や小顔効果を目的に幅広く使われています。その一方で、「施術後に頭痛が出ることがある」と耳にして不安に思う方も少なくありません。結論から言うと、ボトックス後に頭痛を感じる方は一定数いますが、多くは軽度かつ一時的で、自然に治まるケースがほとんどです。

1-1 なぜボトックス後に頭痛を感じる人がいるのか

ボトックスは「筋肉の動きを一時的に弱める」働きがあります。そのため、注射部位周囲の筋肉や神経に一時的な変化が起こり、頭痛として感じられることがあります。

また、注射という医療行為そのものによる緊張やストレス、針刺激による局所的な反応が頭痛を誘発する場合もあります (Allergan, 2021)。

1-2 一時的な副作用として起こる頭痛の特徴

FDA(米国食品医薬品局)が公表している添付文書によれば、ボトックス注射後の副作用として「頭痛」はよくある症状のひとつとされています。特に美容領域での使用(額・眉間・目尻など)では、注射部位に近い前頭部やこめかみ周囲に「鈍い痛み」や「重い感じ」が出やすい傾向があります (Allergan, 2021)。

  • 発症時期:注射から数時間〜数日以内
  • 持続期間:通常は数日以内に自然に改善
  • 程度:市販の鎮痛薬で対応できる程度が多い

実際に、NEJMに掲載されたボツリヌス治療に関する臨床研究でも、「一時的な頭痛は比較的よく見られる副作用」と報告されています (Marques et al., 2023)。

1-3 ボトックス後に頭痛が出る原因

ボトックス注射後の頭痛にはいくつかの原因が考えられます。

  • 注射の刺激:針を刺す行為や薬液の注入による局所的な炎症反応
  • 筋肉のバランス変化:今まで使われていた表情筋の動きが弱まることで、周囲の筋肉に負担がかかる
  • ストレスや緊張:施術への不安感や力みが頭痛につながる
  • 稀なケース:強い頭痛が長引く場合は、体質や体調の影響も考えられる

ただし、多くのケースでは軽症かつ一過性であり、時間の経過とともに落ち着きます。重度の頭痛が続く場合には、医師の診察を受けることが推奨されています。

✅ まとめると、

美容目的でのボトックス後に「頭痛」が出るのは珍しいことではありませんが、ほとんどが軽度で自然に治まります。施術前に「頭痛が副作用として起こり得ること」を理解しておくと、安心して治療を受けられるでしょう。

2. ボトックスによる頭痛治療の仕組み

美容領域では「副作用としての頭痛」が気になる一方で、医療領域ではボトックスは慢性片頭痛の予防治療薬として世界的に承認されています。ここでは、なぜボトックスが頭痛治療に効果を持つのか、その仕組みを整理します。

【図解】美容ボトックスと頭痛治療ボトックスの違い
美容目的のボトックス 頭痛治療のボトックス
目的 シワの改善(眉間、額など) 慢性片頭痛の予防
注射部位 表情筋(皮膚の浅い層) 後頭部、首、肩などの筋肉
使用量 少量(部位による) 比較的多量(広範囲)

2-1 筋肉の緊張を和らげる作用

ボトックスは、筋肉を収縮させる神経伝達物質「アセチルコリン」の放出を抑える働きがあります。これにより筋肉がリラックスし、肩や首のこわばりが和らぎます。

慢性片頭痛の患者さんでは、首や後頭部の筋肉の緊張が頭痛の誘因になることがあり、筋肉を緩めることで頭痛が軽減することが確認されています (Allergan, 2021)。

2-2 神経伝達をブロックするメカニズム

ボトックスは単に筋肉を緩めるだけでなく、痛みの伝達にも影響を及ぼします。

  • 神経末端で痛み物質(CGRPやサブスタンスPなど)の放出を抑える
  • 炎症性物質の拡散を防ぎ、神経の過敏さを鎮める

その結果、痛みの信号が脳に伝わりにくくなるため、頭痛が起こりにくくなると考えられています (Allergan, 2021)。

2-3 どんな頭痛にボトックス治療が効果的なのか

FDA(米国食品医薬品局)や厚生労働省の承認情報によると、ボトックスが有効とされるのは以下のケースです。

  • 慢性片頭痛(1か月に15日以上頭痛があり、そのうち8日以上が片頭痛である状態)
  • 少なくとも3か月以上続いている患者を対象に臨床試験で有効性が確認済み

一方で、緊張型頭痛や月数回の軽い頭痛(いわゆる“普通の頭痛”)には効果が証明されていません。そのため、美容目的でボトックスを受ける方が「頭痛も治るかも」と期待するのは誤解につながる可能性があります (Allergan, 2021)。

✅ ポイント整理

  • ボトックスは「筋肉を緩める作用」と「痛み伝達を遮断する作用」の両方で頭痛を軽減。
  • 承認されているのは「慢性片頭痛」であり、一般的な頭痛には効果は限定的。
  • 美容目的の施術で頭痛が副作用として出ることはあるが、治療目的のボトックスとは全く文脈が異なる。

3. 頭痛が出たときの対処法と予防策

美容目的でボトックスを受けたあと、「思ったより頭が重い」「鈍い頭痛がする」と感じる方は少なくありません。ほとんどの場合は軽症で自然に治まりますが、事前に正しい知識を持っておくと安心です。

おうちでできる対処法

軽い頭痛の場合は、まずはこちらをお試しください。

  • 安静にする:リラックスできる環境で休みましょう。
  • 冷却:タオルで包んだ保冷剤などで、痛みのある部分を優しく冷やします。
  • 市販薬の服用:アセトアミノフェン系の鎮痛薬がおすすめです。用法・用量を守って服用してください。
クリニックに相談

以下のような症状があれば、我慢せずご相談ください。

  • 市販薬が効かない我慢できないほどの強い痛み
  • 頭痛が3日以上続いている。
  • 吐き気、めまい、目の見え方の異常などを伴う。

3-1 安静や市販の鎮痛薬で対応できる場合

  • 冷やす・休む:注射部位やこめかみ周辺を冷やすことで炎症反応を抑え、痛みをやわらげる効果が期待できます。
  • 鎮痛薬の使用:市販のアセトアミノフェンなどを一時的に使用するのは一般的に問題ありません。ただし、過剰に内服すると薬物乱用頭痛のリスクがあるため、短期間にとどめましょう。
  • 水分・睡眠:脱水や寝不足も頭痛を悪化させる要因です。施術当日は特に体を休めることが大切です。

3-2 医師に相談が必要なケース

以下のような場合は、自己判断せずに必ず施術を受けたクリニックへ連絡しましょう。

  • 強い頭痛が数日以上続く
  • 吐き気や視覚異常を伴う
  • 首のこわばりや手足のしびれなど、神経症状を感じる
  • 市販薬を使っても改善しない

これはまれではありますが、副作用が強く出ている可能性があるため、早めの診察が安全です (Allergan, 2021)。

3-3 施術前に知っておくと安心な予防ポイント

  • 信頼できる医療機関を選ぶ:厚生労働省承認薬(アラガン社製ボトックスビスタ®など)を使用しているか確認。
  • 施術前に体調を整える:寝不足や疲労、空腹状態での施術は頭痛を誘発しやすいので注意。
  • カウンセリングで副作用を確認:事前に「頭痛が起こる可能性はある」と説明してくれるクリニックは安心材料になります。

✅ ポイント整理

  • 軽い頭痛なら自宅で安静・冷却・市販薬で対応可能。
  • 数日以上続く強い頭痛は医師へ相談。
  • 施術前から「頭痛が副作用として起こり得る」ことを理解し、クリニック選びと体調管理を重視すると安心。

4. ボトックスと頭痛のQ&A

美容目的でボトックスを検討している方が、よく不安に思う「頭痛」に関する疑問をQ&A形式で整理しました。

どのくらいの頻度で頭痛が起こるの?

臨床試験や添付文書によると、数%〜1割程度の人に一時的な頭痛が見られると報告されています (Allergan, 2021)。多くは軽度で、数日以内に自然に治まるケースがほとんどです。逆に「頭痛が全く出ない人」も多数おり、必ず起こる副作用ではありません。

頭痛が出ても効果や安全性に問題はない?

はい。ほとんどの場合、頭痛は一過性の副作用であり、ボトックス自体の効果や安全性には影響しません。FDAの承認情報でも「頭痛はよくある副作用のひとつ」とされていますが、重篤な合併症に結びつくことはまれです (Allergan, 2021)。ただし、強い頭痛が長引く場合には必ず医師に相談してください。

頭痛が続いたらどうすればいい?

  • 1〜2日程度の軽い頭痛
    → 冷却や市販薬で様子を見ても大丈夫
  • 数日以上続く、または強い痛み・吐き気を伴う場合
    → 医師に早めに相談
  • 視覚異常やしびれを伴う場合
    → すぐに受診

このように「軽度か重度か」「どのくらい続くか」で対応は異なります。特に美容目的の施術では安全性が第一なので、少しでも不安があれば医師に確認するのがベストです。

✅ ポイント整理

  • 頭痛はボトックスの副作用の中でも一般的だが、多くは軽度で自然に回復。
  • 効果や安全性に大きな影響はなく、安心して良い。
  • 長引いたり強い症状が出た場合は、早めに医師に相談することが重要。

5. まとめ

美容目的でボトックスを受ける際に、「頭痛が副作用として出ることがある」と聞くと不安になりますよね。今回整理した内容を振り返ると、以下のようにまとめられます。

  • ボトックス後に頭痛が出る人は一定数いるが、多くは軽度で一時的 → 数時間〜数日で自然に治まるケースがほとんど。
  • 原因は注射の刺激・筋肉バランスの変化・ストレスなど複合的 → 体質や体調も影響するため、完全には予測できない。
  • 副作用としての頭痛と、医療的に「頭痛治療薬」としてのボトックスは別物 → 承認されているのは「慢性片頭痛」であり、美容施術とは目的も投与方法も異なる。
  • 対処法は安静・市販薬で十分なことが多い → 強い頭痛が続く、吐き気や視覚異常を伴う場合は必ず医師に相談。
  • 事前に「頭痛は副作用の一つ」と理解し、信頼できる医療機関を選ぶことが安心につながる。

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💡 美容ボトックスを検討している方にとって大切なのは、「副作用として頭痛が起こり得るが、大半は軽度で心配しすぎる必要はない」という正しい理解です。安心して施術を受けるためには、不安に思うことは必ずカウンセリングで確認し、信頼できるクリニックを選ぶことが何よりの予防策といえるでしょう。

参考文献

  • Alam, M., Arndt, K.A., Dover, J.S., Arndt, K.A., Dover, J.S. and Alam, M., 2002. Severe, intractable headache after injection with botulinum A exotoxin. *Dermatologic Surgery*, 28(6), pp.444-447.
  • Allergan Inc., 2021. *BOTOX® (onabotulinumtoxinA) Prescribing Information*. U.S. Food and Drug Administration. Available at: https://www.fda.gov/media/77359/download [Accessed 10 September 2025].
  • Brisinda, G., Maria, G., Bentivoglio, A.R., Cassetta, E., Gui, D. and Albanese, A., 1999. A comparison of injections of botulinum toxin and topical nitroglycerin ointment for the treatment of chronic anal fissure. *New England Journal of Medicine*, 341(2), pp.65-69.
  • Heckmann, M., Ceballos-Baumann, A.O. and Plewig, G., 2001. Botulinum toxin A for axillary hyperhidrosis (excessive sweating). *New England Journal of Medicine*, 344(7), pp.488-493.
  • Maria, G., Cassetta, E., Gui, D., Brisinda, G., Bentivoglio, A.R. and Albanese, A., 1998. Comparison of botulinum toxin and saline for the treatment of chronic anal fissure. *New England Journal of Medicine*, 338(4), pp.217-220.
  • Marques, A. et al., 2023. ‘Trial of Botulinum Toxin for Isolated or Essential Head Tremor’, *New England Journal of Medicine*, 389(19), pp. 1753-1765.
  • Mayo Clinic, 2023. *Botox Injections*. Mayo Clinic. Available at: https://www.mayoclinic.org/tests-procedures/botox/about/pac-20384658 [Accessed 10 September 2025].
  • MedlinePlus, 2024. *Botulinum toxin injections*. U.S. National Library of Medicine. Available at: https://medlineplus.gov/botox.html [Accessed 10 September 2025].
この記事を監修したドクター

岩田 亮一

Ryoichi Iwata,MD,PhD

資格・所属学会

  • 医学博士
  • 日本脳神経血管内治療学会 専門医・指導医
  • 日本がん治療認定医機構 認定医
  • 日本認知症学会
  • 日本脳神経外科学会 専門医・指導医
  • 日本脳卒中学会 専門医・指導医
  • 日本頭痛学会 認定医・指導医
  • 日本抗加齢医学会

略歴

平成18年 4月
関西医科大学附属滝井病院 研修医
平成20年 4月
岸和田市民病院脳神経外科 医員
平成22年 4月
関西医科大学附属病院脳神経外科 病院助教
平成28年 4月
関西医科大学附属病院脳神経外科 助教
令和元年 9月
関西医科大学附属病院脳神経外科 講師
令和 2年 4月
関西医科大学附属病院脳神経外科 非常勤講師
令和 2年12月
いわた脳神経外科クリニック

授賞歴

平成27年 5月
第13回 櫻根啓子賞受賞
令和 2年 4月
第28回 佐々木千枝子賞
令和 2年
第26回 日本脳神経外科学会奨励賞受賞
この記事を監修したドクター

岩田 亮一

Ryoichi Iwata,MD,PhD

資格・所属学会

  • 医学博士
  • 日本脳神経血管内治療学会 専門医・指導医
  • 日本がん治療認定医機構 認定医
  • 日本認知症学会
  • 日本脳神経外科学会 専門医・指導医
  • 日本脳卒中学会 専門医・指導医
  • 日本頭痛学会 認定医・指導医
  • 日本抗加齢医学会

略歴

平成18年 4月
関西医科大学附属滝井病院 研修医
平成20年 4月
岸和田市民病院脳神経外科 医員
平成22年 4月
関西医科大学附属病院脳神経外科 病院助教
平成28年 4月
関西医科大学附属病院脳神経外科 助教
令和元年 9月
関西医科大学附属病院脳神経外科 講師
令和 2年 4月
関西医科大学附属病院脳神経外科 非常勤講師
令和 2年12月
いわた脳神経外科クリニック

授賞歴

平成27年 5月
第13回 櫻根啓子賞受賞
令和 2年 4月
第28回 佐々木千枝子賞
令和 2年
第26回 日本脳神経外科学会奨励賞受賞