糸リフトをおすすめできない3つの理由|失敗例と医師が考える代替治療を解説|M&B美容皮フ科クリニック|東大阪市の美容皮膚科

〒577-0056 大阪府東大阪市長堂1-2-1 A+FUSEビル5F

美容トピックス TOPICS

糸リフトをおすすめできない3つの理由|失敗例と医師が考える代替治療を解説

顔のたるみが気になり始めた際に、切らない美容医療として注目を集める糸リフト。しかし、実は多くの美容皮膚科医が積極的に糸リフトを推奨していないのをご存じでしょうか。

糸リフトには効果の持続期間の短さや予期せぬ副作用、仕上がりの不自然さなど、患者さんが後悔する要因がいくつも存在します。この記事では、糸リフトをおすすめしない具体的な理由と実際の失敗例、そして医師が考えるより安全で効果的な代替治療について詳しく解説いたします。



糸リフトとは

糸リフトは、特殊な糸を皮膚の下に挿入してたるみを引き上げる美容医療です。メスを使わずに施術できることから、手軽なリフトアップ治療として人気を集めています。

この治療では、コグと呼ばれる小さなとげのついた糸や、溶ける材質でできた糸を使用します。糸を皮膚の深い層に通し、物理的にたるんだ組織を持ち上げることで、一時的なリフトアップ効果を得るというのが基本的な仕組みです。

しかし、この治療法には医学的な観点から見て多くの問題点があり、多くの専門医が慎重な姿勢を示しているのが現状です。





糸リフトをおすすめしない3つの主な理由

美容皮膚科医として、糸リフトをおすすめできない理由を3つのポイントに整理してご説明します。

1. 効果の持続期間が短く費用対効果が低い

糸リフトの最大の問題点は、効果の持続期間の短さです。一般的に糸リフトの効果は約6か月~1年半程度とされていますが、実際にはより短期間で元の状態に戻ってしまうケースが多く見られます。

この短い持続期間は、糸が皮膚組織に与える物理的な刺激が一時的なものであることが原因です。時間が経過すると糸の周囲の組織が順応し、引き上げ効果が失われてしまいます。

高額な費用を支払ったにも関わらず、短期間で効果が消失してしまうため、コストパフォーマンスの観点から推奨できないというのが医師の率直な意見です。

2. 重篤な副作用とリスク

糸リフトには、患者さんが事前に十分理解しておくべき副作用とリスクが複数存在します。

まず、施術後のダウンタイム中に現れる症状として、内出血や腫れ、引きつれ感があります。特に血管が豊富な部位では、アザが数週間にわたって残る場合もあります。

さらに深刻なリスクとして、糸の挿入時に神経や血管を傷つける可能性があり、これにより長期間にわたる痺れや感覚異常が生じることがあります。また、糸に対する感染や異物反応により、糸の除去手術が必要になるケースも報告されています

3. 仕上がりの不自然さと左右非対称のリスク

糸リフトで最も患者さんが後悔される原因の一つが、仕上がりの不自然さです。糸の挿入位置や引き上げる方向が適切でない場合、表情を動かした際に違和感を覚えたり、左右でバランスが崩れることがあります。

特に皮膚が薄い目の周りや鼻の部分では、糸の形状が透けて見えてしまい、明らかに人工的な仕上がりになってしまうケースが少なくありません。

これらの問題は、施術を行う医師の技術や経験に大きく左右されますが、たとえ熟練した医師が行っても完全に避けられないリスクとして認識しておく必要があります






実際の失敗例と患者さんの体験談

糸リフトの失敗例を具体的にご紹介することで、このリスクの実態をご理解いただきたいと思います。

長期間続く痛みと違和感のケース

40代女性のケースでは、糸リフト施術後に頬から耳にかけて強い痛みが3か月以上続きました。当初は一時的な症状と考えられていましたが、糸が神経を圧迫していることが判明し、最終的に糸の除去手術が必要となりました。

この患者さんは、施術前にこのようなリスクについて十分な説明を受けておらず、期待していた美容効果が得られず、日常生活にも支障が出てしまいました

感染と組織の硬化のケース

50代女性のケースでは、糸リフト施術後に感染症を発症し、顔の一部が硬く腫れ上がる事態となりました。抗生物質による治療を行いましたが、組織の硬化は完全には改善されず、元の柔らかい肌質を取り戻すことができませんでした。

このように、感染が起こると美容面だけでなく健康面でも深刻な影響を与える可能性があり、糸リフトのリスクの高さを物語っています。

期待した効果が得られなかったケース

30代後半の女性は、軽度のたるみ改善を期待して糸リフトを受けましたが、施術後の変化がほとんど感じられませんでした。高額な費用を支払ったにも関わらず効果が実感できず、結果的に他の治療法を検討し直すことになり、二重の費用負担となってしまいました

このケースは、糸リフトの適応を誤った例でもあり、患者さんの状態に応じた適切な治療選択の重要性を示しています。







医師が推奨する代替治療法

糸リフトの代わりとなる、より安全で効果的な治療選択肢をご紹介いたします。それぞれの特徴とメリット・デメリットを詳しく解説します。

ヒアルロン酸注射によるリフトアップ

ヒアルロン酸注射は、糸リフトに比べてはるかに安全性が高い治療法です。ヒアルロン酸は元々人間の体内に存在する成分であるため、アレルギー反応のリスクが非常に低いという特徴があります。

この治療では、たるみの原因となっているボリュームロス(組織の減少)を補うことで、自然なリフトアップ効果を得ることができます。効果の持続期間は約1年から1年半程度で、糸リフトと同程度ですが、副作用のリスクが格段に低く、仕上がりも非常に自然です。

また、効果に満足できない場合には、ヒアルロニダーゼという酵素を注射することで、注入したヒアルロン酸を分解して元の状態に戻すことも可能です。

医療ハイフ(HIFU)による治療

医療ハイフは、高密度焦点式超音波を使用してたるみを改善する治療法です。皮膚の深い層(SMAS層)に熱エネルギーを与えることで、コラーゲンの生成を促し、自然なリフトアップ効果を得ることができます。

この治療の最大のメリットは、皮膚を傷つけることなく効果を得られる点です。ダウンタイムもほとんどなく、施術当日から通常の生活を送ることができます。

効果の持続期間は約6か月から1年程度で、糸リフトのような重篤な副作用のリスクがないため、安全性を重視する方にお勧めの治療法です。

ボトックス注射による治療

ボトックス注射は、主に表情じわの改善に使用される治療ですが、適切に使用することで予防的なリフト効果も期待できます。

特に、下方向に引っ張る筋肉(例:口角下制筋)にボトックスを注射することで、相対的に上方向に引き上げる筋肉が優位になり、自然なリフトアップ効果を得ることができます。

この治療法は非常に安全性が高く、世界中で長年使用されている実績があります。効果の持続期間は約3~6か月程度ですが、重篤な副作用のリスクが極めて低いことが大きな利点です。

外科的フェイスリフト手術

根本的なたるみ改善を希望される場合には、外科的なフェイスリフト手術が最も確実で長期間持続する治療法となります。

この手術では、余分な皮膚や脂肪を除去し、筋膜(SMAS層)を確実に引き上げることで、劇的で自然な若返り効果を得ることができます。効果の持続期間は10年以上と非常に長期間です。

ただし、全身麻酔が必要で、約2週間のダウンタイムを要します。また、手術に伴うリスクもあるため、十分な検討と専門医との相談が不可欠です。







適切な治療選択のためのポイント

美容医療で後悔しないためには、適切な治療選択が何より重要です。以下のポイントを参考にしてください。

自分の状態と希望を明確にする

まず、現在の肌の状態を正確に把握し、どの程度の改善を希望するのかを明確にすることが大切です。軽度のたるみなのか、中等度から重度のたるみなのかによって、適切な治療法は大きく異なります。

また、ダウンタイムをどの程度許容できるか、費用面での予算はどの程度かなど、現実的な条件を整理しておくことが重要です。

専門医との十分な相談

美容医療では、経験豊富な専門医との相談が欠かせません。形成外科や皮膚科の専門医資格を持つ医師に相談し、複数の治療選択肢について詳しく説明を受けることをお勧めします。

その際、メリットだけでなくデメリットやリスクについても率直に説明してくれる医師を選ぶことが大切です。

セカンドオピニオンの活用

高額な治療や侵襲的な治療を検討する場合には、複数の医師の意見を聞くセカンドオピニオンを活用することをお勧めします。

異なる医師から同様の治療提案がなされた場合、その治療法があなたにとって適切である可能性が高くなります。逆に、医師によって大きく異なる提案がなされた場合には、より慎重に検討する必要があることを意味します。





まとめ

糸リフトは手軽なリフトアップ治療として注目されていますが、効果の持続期間の短さ、重篤な副作用のリスク、仕上がりの不自然さという3つの大きな問題点があり、多くの美容皮膚科医がおすすめしない治療法です。実際の失敗例を見ても、患者さんが期待する結果を得られず後悔するケースが少なくありません。

代替治療として、ヒアルロン酸注射や医療ハイフ、ボトックス注射、外科的フェイスリフトなど、より安全で効果的な選択肢が複数存在します。美容医療で満足できる結果を得るためには、リスクを十分に理解し、経験豊富な専門医と相談の上で、あなたの状態と希望に最も適した治療法を選択することがとても重要です。

CONTACT

まずはお気軽にLINEでご相談ください!

費用は
どのくらい?

ダウンタイムは?

美容医療
初心者でも
大丈夫?

何回
通えばいい?

どの治療が
いいか
分からない



この記事を監修したドクター

川嶋 俊幸

Toshiyuki Kawashima

資格・所属学会

  • 臨床医学博士
  • 日本脳神経外科学会 専門医
  • 日本癌学会
  • 日本てんかん学会
  • 日本定位・機能神経外科学会
  • 日本脳腫瘍学会
  • 日本認知症学会
  • 日本脳卒中学会
  • 日本脳神経血管内治療学会
  • 機能的定位脳手術技術認定医
  • American association for cancer research (US)
  • The Society for Neuro Oncology (US)

略歴

平成18年 4月
大阪市立大学医学部医学科 入学
平成24年 3月
大阪市立大学医学部医学科 卒業
平成24年 4月
市立島田市民病院臨床研修医
平成26年 4月
大阪市立大学医学部附属病院脳神経外科前期臨床研究医
平成27年 4月
大阪市立大学大学院医学研究科博士課程 入学
守口生野記念病院脳神経外科医師
平成30年 4月
大阪市立総合医療センター脳神経外科シニアレジデント
平成31年 3月
大阪市立大学大学院医学研究科博士課程 卒業
平成31年 4月
大阪市立大学医学部附属病院脳神経外科後期臨床研究医
令和2年10月
大阪市立大学医学部附属病院脳神経外科病院講師
令和4年 4月
大阪市立総合医療センター脳血管内治療科医長
令和5年 4月
大阪公立大学医学部附属病院脳神経外科
この記事を監修したドクター

川嶋 俊幸

Toshiyuki Kawashima

資格・所属学会

  • 臨床医学博士
  • 日本脳神経外科学会 専門医
  • 日本癌学会
  • 日本てんかん学会
  • 日本定位・機能神経外科学会
  • 日本脳腫瘍学会
  • 日本認知症学会
  • 日本脳卒中学会
  • 日本脳神経血管内治療学会
  • 機能的定位脳手術技術認定医
  • American association for cancer research (US)
  • The Society for Neuro Oncology (US)

略歴

平成18年 4月
大阪市立大学医学部医学科 入学
平成24年 3月
大阪市立大学医学部医学科 卒業
平成24年 4月
市立島田市民病院臨床研修医
平成26年 4月
大阪市立大学医学部附属病院脳神経外科前期臨床研究医
平成27年 4月
大阪市立大学大学院医学研究科博士課程 入学
守口生野記念病院脳神経外科医師
平成30年 4月
大阪市立総合医療センター脳神経外科シニアレジデント
平成31年 3月
大阪市立大学大学院医学研究科博士課程 卒業
平成31年 4月
大阪市立大学医学部附属病院脳神経外科後期臨床研究医
令和2年10月
大阪市立大学医学部附属病院脳神経外科病院講師
令和4年 4月
大阪市立総合医療センター脳血管内治療科医長
令和5年 4月
大阪公立大学医学部附属病院脳神経外科