イソトレチノインはニキビに効果がある?治療のポイントと副作用を解説|M&B美容皮フ科クリニック|東大阪市の美容皮膚科

〒577-0056 大阪府東大阪市長堂1-2-1 A+FUSEビル5F

美容トピックス TOPICS

イソトレチノインはニキビに効果がある?治療のポイントと副作用を解説

ニキビに悩む多くの方にとって、効果的な治療法を見つけることは切実な問題です。特に重症のニキビや繰り返すニキビに悩まされている場合、通常の治療では効果が出にくいことがあります。そんな時に注目されるのが「イソトレチノイン」という薬です。この薬は強い効果を持つ反面、正しい理解と使用が必要です。

この記事では、イソトレチノインの効果やニキビ治療のポイント、気をつけるべき副作用について、わかりやすく解説します。ニキビに悩む方はもちろん、治療法を検討している方にとって参考になる情報をお届けします。




イソトレチノインとは?

イソトレチノインは、ビタミンAの誘導体(レチノイド)の一種で、重症のニキビ治療に用いられる薬です。一般的なニキビ治療薬とは異なり、より強力な効果を持っています。

イソトレチノインの基本情報

イソトレチノインは、医療用医薬品として処方される内服薬です。海外では「アキュテイン」や「ロアキュタン」などの商品名で知られています。日本では未承認ですが、医師の判断で個人輸入による処方が行われることがあります。

イソトレチノインは皮脂腺の活動を抑制し、皮脂の過剰分泌を減らす効果があるため、重症ニキビに対して高い改善効果を示します。

イソトレチノインの主な効能


イソトレチノインの作用は主に4つあります

  • 皮脂分泌の抑制(最大90%減少)
  • 毛穴の詰まりの予防
  • ニキビの原因菌(アクネ菌)の増殖抑制
  • 炎症反応の抑制


これらの作用により、ニキビの主な原因にまとめて対処することができます。通常の外用薬では届かない皮脂腺の奥深くにまで作用するのが特徴です。








イソトレチノインが特に効果を発揮するニキビのタイプ

イソトレチノインはすべてのニキビに使用されるわけではありません。特定のタイプや症状のニキビに対して、その効果が最も発揮されます。

重症の嚢胞性ニキビへの効果

イソトレチノインは特に嚢胞性ニキビ(のうほうせいにきび)と呼ばれる重症のニキビに効果的です。これは皮膚の深い部分で炎症を起こし、痛みを伴う大きな赤いしこりとなって現れるニキビです。

嚢胞性ニキビは通常の治療では改善しにくく、跡が残りやすいため、イソトレチノインによる早期の積極的な治療が瘢痕(はんこん)予防に重要です。

他の治療で改善しないニキビへの効果

以下のような状態の方にイソトレチノインが検討されることがあります。

  • 抗生物質や外用薬による治療で効果が見られない
  • 繰り返しニキビが再発する
  • 広範囲にニキビが広がっている
  • ニキビによる心理的苦痛が大きい


特に顔だけでなく、背中や胸などの体幹部に広がるニキビに対しても効果を発揮します。これらの部位は外用薬が塗りにくく、内服薬の効果が期待できる場所です。









イソトレチノインによるニキビ治療の流れ

イソトレチノインによる治療を始めると、どのような流れで効果が現れるのでしょうか。治療のスケジュールと経過について説明します。

イソトレチノインの治療のスケジュール


イソトレチノインの治療は通常、以下のように行われます。




治療は医師の厳密な管理のもとで行われ、定期的な診察と血液検査が必要です。治療の総投与量(累積用量)が120~150mg/kgに達することで、長期的な再発予防効果が期待できるとされています。

効果が現れるまでの経過


イソトレチノインを服用し始めてから効果が現れるまでの一般的な経過は次のとおりです





治療開始初期に「初期悪化」と呼ばれる一時的な症状の悪化が見られることがありますが、これは薬が効いている証拠でもあり、通常は数週間で改善していきます。

治療効果の持続性

イソトレチノイン治療の大きな特徴は、治療終了後も効果が持続することです。多くの患者さんでは、適切な総投与量(累積用量)に達すれば、治療終了後も長期間にわたって良好な状態を維持できます。

一部の患者さんでは再発することもありますが、その場合も初回治療より軽度であることが多く、再治療も可能です。維持療法として、治療後は適切なスキンケアや、必要に応じて軽い外用薬の使用が推奨されます。








イソトレチノイン治療で注意すべき副作用

イソトレチノインは効果が高い反面、様々な副作用があります。治療を受ける前に、これらの副作用について理解しておくことが重要です。

頻発する副作用とその対処法

イソトレチノイン治療中、多くの方に以下のような副作用が現れます。

  • 皮膚・唇の乾燥
  • 目の乾燥、充血
  • 鼻粘膜の乾燥(鼻血が出やすくなる)
  • 光線過敏症(日光に敏感になる)

これらの乾燥症状はイソトレチノインの皮脂抑制作用によるもので、保湿剤やリップクリームを頻繁に使用することで対処できます。また、治療中は紫外線対策も重要になります。


対処法としては

  • 保湿剤:刺激の少ないものを1日数回使用
  • リップクリーム:こまめに塗り直す
  • 人工涙液:目の乾燥対策に
  • 日焼け止め:SPF30以上のものを外出時に使用


などがあります。

重大な副作用

以下はまれですが、重大な副作用として注意が必要なものです。

  • 肝機能障害
  • 脂質異常症(コレステロール・中性脂肪の上昇)
  • 頭痛・筋肉痛
  • 気分の変化、うつ症状


これらの副作用を早期に発見するため、治療中は定期的な血液検査と診察が行われます。特に心配な症状があれば、すぐに担当医に相談することが大切です。

妊娠への影響

イソトレチノインの最も重要な注意点は、妊娠への影響です。この薬は強い催奇形性を持つため、妊娠中の女性には絶対に使用できません。

女性患者さんは治療開始前、治療中、治療終了後1ヶ月間は確実な避妊が必須であり、医師から詳しい説明と確認が行われます。

一部の国では、イソトレチノイン処方に際して避妊に関する厳格なプログラムが実施されています。妊娠の可能性がある場合は、この薬の服用は見送られるか、別の治療法が検討されます。








イソトレチノイン治療を成功させるためのポイント

イソトレチノインによるニキビ治療をより効果的に、そして副作用を最小限に抑えるためのポイントをご紹介します。

医師との連携

イソトレチノイン治療の成功には、医師との良好なコミュニケーションが欠かせません。

治療前に現在使用中の薬やサプリメント、健康状態について全て医師に伝え、治療中に気になる症状があれば遠慮なく相談することが重要です。

特に以下の情報は必ず医師に伝えましょう。

  • 過去のアレルギー歴
  • 肝臓や腎臓の病気の既往
  • 精神疾患の既往
  • 使用中の薬(特にビタミンA製剤)
  • 女性の場合は妊娠の可能性や避妊状況

治療中の生活上の注意点

イソトレチノイン服用中は、日常生活でいくつかの注意点があります。




また、治療中はコンタクトレンズの装用が不快になる場合があるため、メガネを用意しておくとよいでしょう。

再発予防のための治療後のアフターケア

イソトレチノイン治療が終了した後も、肌のケアは重要です。




治療終了後も皮脂分泌抑制効果はしばらく続きますが、徐々に元に戻っていくため、急激な生活習慣の変化は避け、肌に優しい生活を心がけましょう。治療効果を長く維持するためには、ストレス管理や十分な睡眠など、肌の健康に良い習慣を続けることも大切です。









日本での入手状況

イソトレチノインは世界各国で使用されていますが、日本では状況が異なります。ここでは入手方法や各国の状況について解説します。

日本でのイソトレチノインの位置づけ

日本国内ではイソトレチノインの内服薬は未承認薬です。そのため、国内の一般的な処方では入手できません。

日本では医師の判断による個人輸入制度を利用して処方されることがあり、この場合は医師が患者に代わって海外から薬を輸入します。

なお、日本ではイソトレチノインの外用薬(「ディフェリンゲル」など)は承認されていますが、これは内服薬とは効果や使い方が異なります。

海外でのイソトレチノインの使用状況

海外では多くの国でイソトレチノインの内服薬が承認されています。




世界的に見て、イソトレチノインは重症ニキビの標準治療として確立されており、厳格な管理下で安全に使用されています。

処方を受ける際の注意点

日本でイソトレチノイン治療を検討する場合は以下の点に注意しましょう。

  • 必ず皮膚科専門医に相談し、適切な診断を受ける
  • 自己判断での個人輸入や海外からの直接購入は危険なので避ける
  • 治療費は保険適用外になるため、費用について事前に確認する
  • 定期的な通院と検査が可能かどうか考慮する


イソトレチノイン治療を行っている皮膚科クリニックは限られているため、事前に問い合わせて確認することをおすすめします。








イソトレチノイン以外のニキビ治療法との比較

イソトレチノインはニキビ治療の選択肢の一つです。他の治療法と比較して、どのような位置づけなのかを見ていきましょう。

一般的なニキビ治療との違い

イソトレチノインと一般的なニキビ治療の主な違いは以下の通りです。





外用レチノイド(アダパレンなど)毛穴の詰まりを改善面皰(めんぽう)優位のニキビ
イソトレチノインは他の治療法と異なり、皮脂腺に直接作用して皮脂分泌量自体を減らすことができるため、ニキビの根本的な原因に対処できます。


どのような場合にイソトレチノインを選択すべきか

イソトレチノイン治療が特に検討される状況は以下の通りです。

  • 嚢胞性のニキビがある
  • ニキビ痕(瘢痕)ができやすい
  • 通常の治療で改善しない
  • 顔以外の部位(背中、胸など)に広がっている
  • ニキビによる心理的影響が大きい


逆に、軽度~中等度のニキビであれば、まずは外用薬や他の内服薬から試みるのが一般的です。副作用のリスクと効果のバランスを考慮し、段階的な治療アプローチが取られます。

治療法の選択と医師との相談

ニキビ治療法の選択は、以下の要素を考慮して医師と相談しながら決めていくことが大切です。

  • ニキビの重症度と種類
  • 過去の治療歴と効果
  • 患者の生活状況(定期的な通院が可能か)
  • 女性の場合は妊娠の予定
  • 副作用のリスクに対する理解


イソトレチノインはニキビ治療の「最終手段」ではなく、適切な患者さんには早期からの使用も検討される治療オプションです。特に瘢痕が残りやすい重症ニキビでは、早期からの積極的な治療が長期的な肌の健康につながることもあります。








まとめ

イソトレチノインは重症ニキビに対して非常に効果的な治療法です。皮脂分泌を抑制し、ニキビの原因に直接アプローチすることで、他の治療法では改善しにくいニキビにも効果を発揮します。嚢胞性ニキビや広範囲に広がるニキビ、繰り返すニキビに特に有効で、3~6ヶ月の治療で多くの患者さんに明らかな改善がみられます。

一方で、皮膚の乾燥や光線過敏症などの副作用はほぼ必発し、まれに肝機能障害や脂質異常症などの重大な副作用もあります。特に妊娠中や妊娠の可能性がある女性には使用できない点は非常に重要です。

ニキビでお悩みの方は、まず皮膚科専門医に相談し、自分のニキビの状態に最適な治療法を見つけることをおすすめします。イソトレチノインが適切な選択肢かどうかを含め、医師と十分に相談して治療計画を立てていきましょう。


CONTACT

まずはお気軽にLINEでご相談ください!

費用は
どのくらい?

ダウンタイムは?

美容医療
初心者でも
大丈夫?

何回
通えばいい?

どの治療が
いいか
分からない

この記事を監修したドクター

川嶋 俊幸

Toshiyuki Kawashima

資格・所属学会

  • 臨床医学博士
  • 日本脳神経外科学会 専門医
  • 日本癌学会
  • 日本てんかん学会
  • 日本定位・機能神経外科学会
  • 日本脳腫瘍学会
  • 日本認知症学会
  • 日本脳卒中学会
  • 日本脳神経血管内治療学会
  • 機能的定位脳手術技術認定医
  • American association for cancer research (US)
  • The Society for Neuro Oncology (US)

略歴

平成18年 4月
大阪市立大学医学部医学科 入学
平成24年 3月
大阪市立大学医学部医学科 卒業
平成24年 4月
市立島田市民病院臨床研修医
平成26年 4月
大阪市立大学医学部附属病院脳神経外科前期臨床研究医
平成27年 4月
大阪市立大学大学院医学研究科博士課程 入学
守口生野記念病院脳神経外科医師
平成30年 4月
大阪市立総合医療センター脳神経外科シニアレジデント
平成31年 3月
大阪市立大学大学院医学研究科博士課程 卒業
平成31年 4月
大阪市立大学医学部附属病院脳神経外科後期臨床研究医
令和2年10月
大阪市立大学医学部附属病院脳神経外科病院講師
令和4年 4月
大阪市立総合医療センター脳血管内治療科医長
令和5年 4月
大阪公立大学医学部附属病院脳神経外科
この記事を監修したドクター

川嶋 俊幸

Toshiyuki Kawashima

資格・所属学会

  • 臨床医学博士
  • 日本脳神経外科学会 専門医
  • 日本癌学会
  • 日本てんかん学会
  • 日本定位・機能神経外科学会
  • 日本脳腫瘍学会
  • 日本認知症学会
  • 日本脳卒中学会
  • 日本脳神経血管内治療学会
  • 機能的定位脳手術技術認定医
  • American association for cancer research (US)
  • The Society for Neuro Oncology (US)

略歴

平成18年 4月
大阪市立大学医学部医学科 入学
平成24年 3月
大阪市立大学医学部医学科 卒業
平成24年 4月
市立島田市民病院臨床研修医
平成26年 4月
大阪市立大学医学部附属病院脳神経外科前期臨床研究医
平成27年 4月
大阪市立大学大学院医学研究科博士課程 入学
守口生野記念病院脳神経外科医師
平成30年 4月
大阪市立総合医療センター脳神経外科シニアレジデント
平成31年 3月
大阪市立大学大学院医学研究科博士課程 卒業
平成31年 4月
大阪市立大学医学部附属病院脳神経外科後期臨床研究医
令和2年10月
大阪市立大学医学部附属病院脳神経外科病院講師
令和4年 4月
大阪市立総合医療センター脳血管内治療科医長
令和5年 4月
大阪公立大学医学部附属病院脳神経外科