膝の痛みを我慢しないで!変形性膝関節症を改善して人生をもっと楽しむ方法|M&B美容皮フ科クリニック|東大阪市の美容皮膚科

〒577-0056 大阪府東大阪市長堂1-2-1 A+FUSEビル5F

美容トピックス TOPICS

膝の痛みを我慢しないで!変形性膝関節症を改善して人生をもっと楽しむ方法

痛みで階段の昇り降りがつらい、膝を曲げると痛い、歩くのも億劫になる膝の痛み──それは変形性膝関節症のサインかもしれません。日本では高齢者を中心に患者数が増えており、国の統計によると40歳以上の約2,500万人が罹患していると推計されています(厚生労働省)。

肥満や加齢が主な原因とされますが、最近では肥満を伴う患者に「セマグルチド」という治療選択肢が注目されています。
この記事では、変形性膝関節症の症状や治療法について詳しく解説します。


1. 変形性膝関節症とは


膝の痛みや腫れで「立つ・歩く・階段を上る」がつらくなる病気です。軟骨がすり減り、骨や関節包に炎症が起きることで症状が出ます。早めに対策すれば、進行を遅らせて日常生活を守れます。



1-1 どんな症状か

最初は歩き始めや階段で「ズキッ」と痛み、こわばりを感じます。朝のこわばりは短時間で、動くと少しずつ和らぐのが特徴です。

進むと腫れや熱っぽさ、O脚傾向、正座のしにくさが目立ちます。医学的には、年齢・短い朝のこわばり・きしみ音(クリクピタス)・骨の圧痛などの所見を組み合わせて診断します。



1-2 何がつらいのか

痛みで「立ち上がる・歩く・荷物を持つ」動作が重く感じられ、外出を控えがちになります。国際的な評価指標WOMAC(痛み・機能・こわばりを0〜100で評価)でも、膝の痛みは生活の質を大きく下げると報告されています。

「曲げると痛い」「曲げなくても痛い」は、つらいですよね。

例えば、階段を1階分上るだけで途中で休みたくなる、買い物の袋を持って5分歩くのが精一杯、といった具体的な困りごとが増えます。



1-3 放置するとどうなるのか

何もしないままだと、膝の痛みが長引き、可動域が狭まり、関節の変形が進みます。運動量が落ちることで体重が増え、さらに膝へ負担がかかる悪循環に陥ります。

研究では、膝の変形性関節症は慢性痛・移動能力の低下・生活の質の悪化に結びつくと示されています。一方で、体重管理や適切な治療で進行を遅らせられる可能性があり、構造の悪化リスクを下げる可能性も指摘されています。




2. 治療法


変形性膝関節症の治療は保存療法 → 薬物療法 → 外科的治療の順に進められるのが一般的です。膝の痛みをやわらげ、進行を遅らせるために、患者さんの状態に合わせた治療が選択されます。



2-1 保存療法(運動・体重管理・装具など)

初期から取り入れられるのが体重管理と運動療法です。体重を1kg減らすと膝への負担は約3〜4kg軽くなるとされており、肥満改善は特に重要です。

水中ウォーキングやストレッチは膝への負担が少なく、筋肉を保ちつつ痛みを減らす効果が期待できます。さらに、サポーターや靴のインソールを使うと、膝の安定性が増して動作がしやすくなります。



2-2 薬物療法(痛み止め・注射治療)

痛みが強い場合はNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)がよく使われます。ただし、胃腸障害や腎機能への影響があるため、医師の管理が欠かせません。 関節内注射ではヒアルロン酸注射が広く行われ、潤滑性を高めて動きをスムーズにします。ステロイド注射は炎症を抑えますが、繰り返すと軟骨への悪影響が懸念されるため注意が必要です。



2-3 外科的治療(手術)

保存療法や薬で効果が不十分な場合は手術が検討されます。軽度〜中等度では関節鏡手術や骨切り術が行われ、重度になると人工関節置換術が選択されます。人工関節は痛みの改善に高い効果がありますが、手術リスクやリハビリが必要です。 できるだけ早い段階で生活習慣や体重の改善に取り組むことで、手術を避けられる可能性が高まります。




3. セマグルチド

近年、肥満を伴う変形性膝関節症に対して新しい選択肢として注目されているのがセマグルチドです。ウゴービなどに含まれる有効成分です。
もともと糖尿病や肥満治療薬として開発されましたが、最新の臨床試験で膝の痛みや機能改善にも効果が報告されています。



3-1 セマグルチドとは(薬の特徴と働き)

セマグルチドは週1回注射するGLP-1受容体作動薬です。脳に働きかけて食欲を抑え、体重を減らす作用があります。体重が減ることで膝への負担が軽減され、痛みの改善につながります。さらに、研究では炎症を抑える可能性も示唆されています。



3-2 膝の痛みに効果がある理由

2024年に発表されたBliddal et al.の研究では、BMI30以上の変形性膝関節症患者407名を対象に調査が行われました。セマグルチドを使用したグループでは体重が平均13.7%減少し、痛みを示すWOMACスコアが−41.7点改善しました(プラセボ群は−27.5点)。また、歩行能力や生活の質も有意に改善しました。



3-3 心不全や肥満にも効果が期待される点

セマグルチドは肥満改善効果に加えて、心臓にも良い影響を与えることが示されています。2023年のSTEP-HFpEF試験では、肥満を伴う心不全患者において症状や運動能力の改善が確認されました。膝痛と肥満・心臓病を併発する方にとっては、複合的なメリットが期待できます。



3-4 副作用と注意点

主な副作用は吐き気・下痢・便秘といった消化器症状です。STEP9試験では6.7%の患者が副作用で中止しましたが、重い副作用の頻度はプラセボ群と大きな差はありませんでした。 ただし、膵炎や消化器疾患の既往がある方は注意が必要であり、使用は必ず医師の診断と管理下で行われます。




Q&A

ここでは、患者さんからよく寄せられる質問にお答えします。似た病気との違い・予防法・セマグルチドの対象者など、知っておきたいポイントをまとめました。



変形性膝関節症とリウマチはどう違うの?

変形性膝関節症は加齢や肥満によって軟骨がすり減り、膝関節に負担がかかることで進行します。
一方、関節リウマチは免疫の異常で全身の関節に炎症が起きる病気で、手指や足首など複数の関節が腫れやすいのが特徴です。

血液検査やX線で鑑別が可能で、治療法も大きく異なります。リウマチでは免疫抑制薬が必要になりますが、変形性膝関節症では運動・体重管理・薬物療法が中心になります。



膝の変形を予防する方法はある?

完全に防ぐことは難しいですが、肥満を避けることが最大の予防につながります。体重を1kg減らすと膝への負担は約3〜4kg軽くなると報告されています。

また、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛えることで関節の安定性が高まり、進行を遅らせる可能性があります。スクワットや階段昇降、水中運動など膝にやさしい筋力トレーニングが推奨されます。



どんな人がセマグルチド治療の対象になるの?

セマグルチドはBMI30以上で肥満を伴う中等度以上の膝関節症の患者さんに有効性が確認されています。

痛みが強く日常生活に支障がある方や、従来の治療で十分な効果が得られない方が対象になり得ます。ただし、副作用や既往歴によっては使えない場合もあるため、必ず医師が総合的に判断します。




まとめ

変形性膝関節症は放置すると関節の変形や歩行困難につながる病気です。これまでの治療は運動・体重管理・薬物療法・手術が中心でしたが、最近ではセマグルチドという新しい治療の可能性が注目されています。


2024年に発表された試験では、セマグルチドを使用した患者は体重が平均13.7%減少し、膝の痛みが大幅に改善しました。これは単なるダイエット効果にとどまらず、膝関節症の症状改善に直結する重要な結果です。

もちろん、副作用や適応の問題もあり誰にでも使える薬ではありません。しかし、従来の治療で十分な効果が得られなかった方や、肥満を合併する方にとっては、治療選択肢となり得ます。


膝の痛みを「年齢のせいだから仕方ない」とあきらめず、早めに医師へ相談しましょう。適切な体重管理、運動、薬の使い方、そして最新治療の可能性まで含めて、自分に合った方法を見つけることが、健康な生活への第一歩となります。




大阪 布施での肥満の相談なら、私たちM&B美容皮フ科クリニックにお任せください。

CONTACT

まずはお気軽にLINEでご相談ください!

費用は
どのくらい?

ダウンタイムは?

美容医療
初心者でも
大丈夫?

何回
通えばいい?

どの治療が
いいか
分からない



関連記事

「このままじゃ家族が心配…」ウゴービの効果で大切な人の健康を守る方法

 

関連記事

太らなければもっと楽しめる!肥満を防いで健康寿命を延ばす方法




参考文献

Bliddal, H., Bays, H., Czernichow, S., Uddén Hemmingsson, J., Hjelmesæth, J., Hoffmann Morville, T., Koroleva, A., Skov Neergaard, J., Vélez Sánchez, P., Wharton, S., Wizert, A. and Kristensen, L.E., 2024. Once-Weekly Semaglutide in Persons with Obesity and Knee Osteoarthritis. New England Journal of Medicine, 391(17), pp.1573–1583. doi:10.1056/NEJMoa2403664.


Hunter, D.J. and Bierma-Zeinstra, S., 2019. Osteoarthritis. The Lancet, 393(10182), pp.1745–1759. doi:10.1016/S0140-6736(19)30417-9.


Kolasinski, S.L., Neogi, T., Hochberg, M.C., Oatis, C., Guyatt, G., Block, J., Callahan, L.F., Clegg, D.O., Costello, W., Crowson, C.S., et al., 2020. 2019 American College of Rheumatology/Arthritis Foundation guideline for the management of osteoarthritis of the hand, hip, and knee. Arthritis Care & Research, 72(2), pp.149–162. doi:10.1002/acr.24131.


Bannuru, R.R., Osani, M.C., Vaysbrot, E.E., Arden, N.K., Bennell, K., Bierma-Zeinstra, S.M.A., Kraus, V.B., Lohmander, L.S., Abbott, J.H., Bhandari, M., et al., 2019. OARSI guidelines for the non-surgical management of knee, hip, and polyarticular osteoarthritis. Osteoarthritis and Cartilage, 27(11), pp.1578–1589. doi:10.1016/j.joca.2019.06.011.


Messier, S.P., Beavers, D.P., Queen, K., Mihalko, S.L., Miller, G.D., Nicklas, B.J., DeVita, P., Lyles, M., Hunter, D.J., Loeser, R.F. and Mihalko, B., 2022. Effect of diet and exercise on knee pain in patients with osteoarthritis and overweight or obesity: a randomized clinical trial. JAMA, 328(23), pp.2242–2251. doi:10.1001/jama.2022.21958.


Kosiborod, M.N., Abildstrøm, S.Z., Borlaug, B.A., Butler, J., Rasmussen, S., Davies, M., Hovingh, G.K., Kitzman, D.W., Lindegaard, M.L., Møller, D.V., Shah, S.J., Treppendahl, M.B., Verma, S., Abhayaratna, W., Ahmed, F.Z., Chopra, V., Ezekowitz, J., Fu, M., Ito, H., Lelonek, M., Melenovsky, V., Merkely, B., Núñez, J., Perna, E., Schou, M., Senni, M., Sharma, K., Van der Meer, P., von Lewinski, D., Wolf, D. and Petrie, M.C., 2023. Semaglutide in Patients with Heart Failure with Preserved Ejection Fraction and Obesity. New England Journal of Medicine, 389(12), pp.1069–1084. doi:10.1056/NEJMoa2306963

この記事を監修したドクター

岩田 亮一

Ryoichi Iwata,MD,PhD

資格・所属学会

  • 医学博士
  • 日本脳神経血管内治療学会 専門医・指導医
  • 日本がん治療認定医機構 認定医
  • 日本認知症学会
  • 日本脳神経外科学会 専門医・指導医
  • 日本脳卒中学会 専門医・指導医
  • 日本頭痛学会 認定医・指導医
  • 日本抗加齢医学会

略歴

平成18年 4月
関西医科大学附属滝井病院 研修医
平成20年 4月
岸和田市民病院脳神経外科 医員
平成22年 4月
関西医科大学附属病院脳神経外科 病院助教
平成28年 4月
関西医科大学附属病院脳神経外科 助教
令和元年 9月
関西医科大学附属病院脳神経外科 講師
令和 2年 4月
関西医科大学附属病院脳神経外科 非常勤講師
令和 2年12月
いわた脳神経外科クリニック

授賞歴

平成27年 5月
第13回 櫻根啓子賞受賞
令和 2年 4月
第28回 佐々木千枝子賞
令和 2年
第26回 日本脳神経外科学会奨励賞受賞
この記事を監修したドクター

岩田 亮一

Ryoichi Iwata,MD,PhD

資格・所属学会

  • 医学博士
  • 日本脳神経血管内治療学会 専門医・指導医
  • 日本がん治療認定医機構 認定医
  • 日本認知症学会
  • 日本脳神経外科学会 専門医・指導医
  • 日本脳卒中学会 専門医・指導医
  • 日本頭痛学会 認定医・指導医
  • 日本抗加齢医学会

略歴

平成18年 4月
関西医科大学附属滝井病院 研修医
平成20年 4月
岸和田市民病院脳神経外科 医員
平成22年 4月
関西医科大学附属病院脳神経外科 病院助教
平成28年 4月
関西医科大学附属病院脳神経外科 助教
令和元年 9月
関西医科大学附属病院脳神経外科 講師
令和 2年 4月
関西医科大学附属病院脳神経外科 非常勤講師
令和 2年12月
いわた脳神経外科クリニック

授賞歴

平成27年 5月
第13回 櫻根啓子賞受賞
令和 2年 4月
第28回 佐々木千枝子賞
令和 2年
第26回 日本脳神経外科学会奨励賞受賞