マンジャロは週1回、ご自身で皮下注射する薬です。打ち方そのものは難しくありませんが、打つ場所の選び方、痛みの和らげ方、そして「打ち忘れたとき」の判断は、迷いやすいところです。
この記事では、電子添文の記載を原文にさかのぼって確認しながら、実際の手順を整理します。
本記事のスタンス
- 本記事は医療情報の提供であり、診断・治療の代替ではありません。
- 用量・打ち方・体に合うかどうかは、個別に医師の判断が必要です。
- 痛みの感じ方には個人差があります。
この記事でわかること
- 週1回・同じ曜日に打つこと、曜日を変えるときの条件
- 腹部・太もも・上腕のどこに打つか、場所を変える理由
- 痛みを和らげる具体的な工夫
- 冷蔵・室温それぞれの保管条件と、使える期限
- 打ち忘れたときの「3日間(72時間)」という判断基準
- 起こりうる副作用と、受診の目安
1. 注射する前に知っておきたいこと
1-1 週1回・同じ曜日に打つ
マンジャロは週1回、同じ曜日に投与する薬です(電子添文7.1)。食事の時間に合わせる必要はないため、朝でも夜でも、ご自身の都合のよい時間に打てます。
曜日を決めて生活の流れに組み込むと、打ち忘れが起こりにくくなります。スマートフォンのリマインダーやカレンダーアプリを使う方も多くいらっしゃいます。
なお、週1回投与の曜日を変える必要がある場合は、前回の投与から少なくとも3日間(72時間)以上あけてください(電子添文7.1)。
1-2 打つ場所を決める
皮下注射は、腹部・太もも・上腕に行うのが一般的です。
同じ場所に繰り返し打つと、皮膚が硬くなったり、炎症が起きたりすることがあります。毎回少しずつ場所を変えてください。腹部なら左右交互に、太ももや上腕でも位置をずらします。
打つ前には手を洗い、注射部位を消毒します。
1-3 保管のしかた
マンジャロは冷蔵庫(2〜8℃)で、外箱に入れたまま遮光して保管します(電子添文20.1)。
凍結を避け、2〜8℃で遮光保存すること。凍結した場合は、使用しないこと。
室温で保存する場合は、30℃を超えない場所で外箱から出さずに保存し、21日以内に使用すること。
マンジャロ電子添文 20.1・20.2(2026年9月改訂・第11版)| 保管場所 | 条件 |
|---|---|
| 冷蔵庫 | 2〜8℃。外箱に入れたまま遮光して保管します |
| 室温 | 30℃を超えない場所で、外箱から出さずに保管。21日以内に使い切ってください |
| 凍らせてしまった | 使用しないでください。見た目に変化がなくても使えません |
冷蔵庫に入れるときは、吹き出し口の近くを避けてください。凍ってしまうことがあります。旅行などで持ち出す場合は、保冷剤が直接触れないようにします。
2. 痛みについて
2-1 痛みの感じ方には個人差があります
皮下注射の痛みは、針が皮膚を通るときや、薬が広がるときに感じられます。感じ方には個人差があり、「痛くない」と言い切れるものではありません。
薬を注入する速さや、打つ場所によっても変わります。
2-2 痛みを和らげる工夫
- 打つ前に保冷剤などで皮膚を軽く冷やすと、感覚が鈍くなります
- 体の力を抜いてから打ちます。緊張すると筋肉が硬くなり、痛みを感じやすくなります
- 深呼吸をして、落ち着いてから行います
痛みや不安が続くときは、打ち方を一緒に見直せますので、診察でご相談ください。院内での注射も承っています。
3. 打ち忘れたときの対応
ここは自己判断で迷いやすいところなので、電子添文の記載をそのまま引用します。
投与を忘れた場合は、次回投与までの期間が3日間(72時間)以上であれば、気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定めた曜日に投与すること。次回投与までの期間が3日間(72時間)未満であれば投与せず、次のあらかじめ定めた曜日に投与すること。
マンジャロ電子添文 7.2(2026年9月改訂・第11版)3-1 つまりどうすればよいか
| 次に打つ予定日までの日数 | 対応 |
|---|---|
| 3日間(72時間)以上ある | 気づいた時点で直ちに打つ。その後は元の曜日に戻します |
| 3日間(72時間)より短い | 打たずに飛ばす。次の予定日に、いつもどおり打ちます |
判断に迷うときは、自己判断で打たずにご連絡ください。
4. 起こりうる副作用
4-1 よくみられるもの
電子添文で5%以上の方にみられるとされているのは、悪心(吐き気)、嘔吐、下痢、便秘、腹痛、消化不良、食欲減退です。注射した部位に、紅斑・かゆみ・痛み・腫れが出ることもあります。
つらいときは用量を下げる、増量を先延ばしにするといった調整ができますので、我慢せずご相談ください。
4-2 まれにみられる重い副作用
いずれもまれですが、次が報告されています。低血糖(頻度不明)、急性膵炎(0.1%未満)、胆嚢炎(頻度不明)・胆管炎(0.1%未満)・胆汁うっ滞性黄疸(頻度不明)、アナフィラキシー・血管性浮腫(いずれも頻度不明)、イレウス(頻度不明)。
嘔吐をともなう持続的な激しい腹痛、高度の便秘やおなかの張りなどがあらわれた場合は、使用を中止し、速やかに医師の診察を受けてください。じんましん、顔やのどの腫れ、息苦しさなど、重いアレルギー反応を思わせる症状があらわれた場合も、すぐに受診してください。(マンジャロ電子添文 2026年9月改訂・第11版)
5. よくあるご質問
毎回同じ時間に打つ必要は?
時間の指定はありません。曜日をそろえることが基本です(電子添文7.1)。食事の時間にも縛られません。
打つ場所で効き方は変わる?
腹部・太もも・上腕のいずれでも投与できます。ただし同じ場所を繰り返すと皮膚が硬くなることがあるため、毎回ずらしてください。
冷蔵庫から出して持ち歩ける?
室温で保存する場合は、30℃を超えない場所で外箱から出さずに保管し、21日以内に使い切ってください(電子添文20.2)。凍ってしまったものは使用できません。
自分で打てるか不安です
院内での注射も承っています(2,200円)。打ち方に不安があるときは、診察でご相談ください。
痛みが強いのですが
感じ方には個人差があります。冷やす、力を抜く、場所を変えるといった工夫で和らぐことがあります。続くようであれば、打ち方を一緒に見直しますのでお知らせください。
マンジャロ(チルゼパチド)による自由診療について
当院が痩身を目的として行うマンジャロの処方は、国内で承認されていない使い方(適応外使用)です。ご検討の前に、以下を必ずお読みください。
治療の内容・期間・回数
週1回(1か月あたり4回程度)、ご自身で皮下注射します(院内での注射も可能です)。2.5mgから始め、4週間投与したのち5mgへ増量します。5mgで効果が十分でない場合は、4週間以上の間隔をあけて2.5mgずつ増量することがあります(電子添文の用法及び用量)。胃腸の症状などで体に合わない場合は、減量したり、増量を先延ばしにしたりします。2.5mgのまま続けていただく場合もあります。当院でお出しする用量は2.5mg・5mg・7.5mg・10mgです。治療期間:あらかじめ定まった期間はありません。2.5mgから増量していく場合、当院で扱う最大量の10mgに達するまでに最短で12週間かかります(4週間ごとに2.5mgずつ増量した場合)。その後どのくらい続けるかに定めはなく、減った体重を保つには継続が必要になる場合があり、中止したあとに体重が戻ることがあります。続けるかどうかは、効果と副作用を確認しながら医師とご相談のうえ決めます。
費用(自由診療・保険適用外)
- マンジャロ 1本 3,250円〜12,980円(税込/用量とご購入本数により異なります)
- 初診料 3,300円(施術を受けていただく場合は無料)
- 採血(ご希望の方のみ)4,400円/院内での注射 2,200円
- オンライン診療の送料 10本以下 1,980円/12本以上 3,000円(目安)
1回のお会計はお薬代で3,980円(2.5mgを1本)〜126,000円(10mgを12本まとめて)です。これに上記の初診料・採血・院内での注射・送料が、必要に応じて加わります。用量別・本数別の価格は料金ページをご覧ください。
※2026年10月時点の価格です。最新の価格は料金ページでご確認ください。
適応外使用に関する情報
未承認の使い方です。マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は2型糖尿病の治療薬として国内で承認されています。痩身・ダイエット目的での処方は国内で承認されていません。
入手経路。国内の医薬品卸売業者から、国内で承認された医薬品を仕入れています。個人輸入は行っていません。
国内の承認医薬品等。同一成分(チルゼパチド)の肥満症治療薬が国内で承認されています。使用できる医療機関・対象者に要件があり、美容・痩身目的では使用できません。
諸外国の情報。チルゼパチド製剤は米国(体重管理の製剤は2023年11月8日承認)および欧州(2022年9月15日承認、体重管理の効能は2023年12月11日追加)でも承認されていますが、いずれの国でも美容・痩身を目的とした効能は承認されておらず、重大なリスクが明らかになっていない可能性があります。米国の添付文書には、ラットで甲状腺C細胞腫瘍が認められたことに基づく枠組み警告があり、髄様甲状腺がんの既往歴・家族歴のある方と多発性内分泌腫瘍症2型の方は使用できないとされています。
救済制度。承認された効能・効果と異なる目的での使用のため、重い副作用が生じても医薬品副作用被害救済制度の対象外です。
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参考文献
- 日本イーライリリー (2026) 『マンジャロ皮下注アテオス 電子添文(2026年9月改訂・第11版)』. Available at: https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2499422G1024_1_11/ (Accessed: 1 October 2026).
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