【NEJM 2025年掲載】開発中の薬剤Maritide(マリタイド)論文解説|月1回投与で最大16%体重減少を実現した次世代肥満治療薬の全貌|M&B美容皮フ科クリニック|東大阪市の美容皮膚科

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【NEJM 2025年掲載】開発中の薬剤Maritide(マリタイド)論文解説|月1回投与で最大16%体重減少を実現した次世代肥満治療薬の全貌

【NEJM 2025論文解説】Maritide(マリタイド)|月1回投与で16%体重減少を実現した次世代肥満治療薬(※日本未承認)の全貌
肥満治療 論文解説

肥満治療の分野において、2025年6月に権威ある医学誌『The New England Journal of Medicine(NEJM)』に画期的な研究結果が発表されました。それが、Maritide(マリタイド、一般名:maridebart cafraglutide)という開発中の薬剤(※日本未承認)のPhase 2試験です。

既存のGLP-1受容体作動薬(セマグルチドやチルゼパチドなど)が週1回の投与を必要とするのに対し、Maritideは月1回の投与という利便性の高さに加え、最大16.2%の体重減少という優れた効果を示しました。さらに、その作用メカニズムも独特で、GLP-1受容体の活性化とGIP受容体の拮抗という二重のアプローチを採用しています。

📌 本記事のポイント

  • Maritideの革新的な分子構造と作用メカニズムを理解できる
  • Phase 2試験の詳細な結果データを把握できる
  • 既存のGLP-1薬との違いと優位性がわかる
  • NEJM掲載論文に基づく信頼性の高い科学的情報を提供
  • 2型糖尿病合併例と非合併例の両方のデータを網羅

⚠️ 薬機法上の重要な注意

本記事で解説する効果・効能は、海外で実施された臨床試験の研究結果であり、日本国内では未承認の医薬品です。現時点で日本での使用はできません。本記事は学術的な情報提供を目的としており、治療を推奨するものではありません。肥満治療に関するご相談は、医療機関で医師にご相談ください。

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1. Maritide(マリタイド)とは何か?

1.1 Maritideの基本情報

Maritide(一般名:maridebart cafraglutide)は、米国バイオ製薬企業Amgen社が開発中の長時間作用型薬剤で、肥満を対象としたPhase 2試験が実施されました。※本剤は日本では未承認です。最大の特徴は、ペプチド–抗体複合体(peptide-antibody conjugate)という革新的な分子構造を持つことです。

項目 詳細
一般名 Maridebart cafraglutide(マリデバート カフラグルチド)
開発コード AMG 133
製品名 MariTide(マリタイド)
開発会社 Amgen Inc.(アムジェン)
分子タイプ ペプチド–抗体複合体(Peptide-Antibody Conjugate)
投与方法 皮下注射
投与頻度 月1回(または8週に1回も検討)

1.2 革新的な分子構造:ペプチド–抗体複合体

Maritideの最大の特徴は、その独自の分子構造にあります。従来のGLP-1受容体作動薬がペプチドのみで構成されているのに対し、Maritideは抗体とペプチドを組み合わせた複合体です。

🧬 Maritideの分子構造

①抗体部分(Antibody Component)

完全ヒト型モノクローナル抗体で、GIP受容体(GIPR)に対する拮抗薬として機能します。GIP受容体に結合してその活性を阻害します。

②ペプチド部分(Peptide Component)

抗体に2つのGLP-1受容体作動薬ペプチドがアミノ酸リンカーを介して結合しています。これによりGLP-1受容体を活性化します。

③複合体としての利点

抗体の長い半減期により、月1回の投与で十分な効果が持続します。また、二重のメカニズムにより、より強力な体重減少効果が期待できます。

2. Maritideの作用メカニズム:GLP-1作動×GIP拮抗

2.1 二重メカニズムの概要

Maritideは、既存の肥満治療薬とは異なる独自のアプローチを採用しています。それがGLP-1受容体作動とGIP受容体拮抗の組み合わせです。

🟢 メカニズム①

GLP-1受容体の活性化

グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を刺激することで:

  • 食欲を抑制
  • 満腹感を増強
  • 胃内容物排出を遅延
  • インスリン分泌を促進

🔴 メカニズム②

GIP受容体の拮抗(阻害)

グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)受容体を阻害することで:

  • 脂肪蓄積を抑制
  • 脂肪分解を促進
  • より強力な体重減少効果

2.2 なぜGIP受容体を「拮抗」するのか?

この点が、Maritideと他の肥満治療薬との最大の違いです。例えば、同じく次世代肥満治療薬として注目されるチルゼパチド(マンジャロ、ゼップバウンド)は、GLP-1とGIPの両方を活性化します。

一方、MaritideはGIPを拮抗(阻害)します。なぜこのアプローチが採用されたのでしょうか?

💡 GIP拮抗の科学的根拠

遺伝学的研究からの示唆:GIP受容体の機能喪失型変異を持つ人は、肥満のリスクが低いことが遺伝学的研究で示されています(Jastreboff et al., 2025)。

前臨床試験の結果:動物実験において、GLP-1受容体作動とGIP受容体拮抗を組み合わせると、単独またはGIP受容体作動との組み合わせよりも、より強力な体重減少効果が得られることが確認されました。

脂肪代謝への影響:GIP受容体の拮抗により、脂肪組織における脂肪蓄積が抑制され、脂肪分解が促進されると考えられています。

2.3 既存薬との比較

薬剤名 GLP-1受容体 GIP受容体 投与頻度
セマグルチド
(ウゴービ)
✓ 作動 週1回
チルゼパチド
(マンジャロ)
✓ 作動 ✓ 作動 週1回
Maritide
(マリタイド)
✓ 作動 ✗ 拮抗 月1回

3. Phase 2試験の詳細:研究デザインと方法

3.1 試験の基本設計

今回解説するのは、2025年6月23日にNEJMに掲載されたPhase 2、二重盲検、無作為化、プラセボ対照、用量設定試験です(Jastreboff et al., 2025)。

項目 詳細
試験デザイン Phase 2、二重盲検、無作為化、プラセボ対照
対象者数 592名
試験期間 52週間(約1年)
主要評価項目 ベースラインから52週目までの体重変化率(%)
試験登録番号 ClinicalTrials.gov: NCT05669599

3.2 2つのコホート(対象群)

この試験では、対象者を2つのコホートに分けて検討しました。

コホート1:肥満のみ(Obesity Cohort)

対象者:465名(女性63%、平均年齢47.9歳、平均BMI 37.9)

投与群:7つの投与群に無作為割り付け(3:3:3:2:2:2:3の比率)

  • 140mg/4週毎(用量漸増なし)
  • 280mg/4週毎(用量漸増なし)
  • 420mg/4週毎(用量漸増なし)
  • 420mg/8週毎(用量漸増なし)
  • 420mg/4週毎(4週間用量漸増あり)
  • 420mg/4週毎(12週間用量漸増あり)
  • プラセボ

コホート2:肥満+2型糖尿病(Obesity-Diabetes Cohort)

対象者:127名(女性42%、平均年齢55.1歳、平均BMI 36.5)

投与群:4つの投与群に無作為割り付け(1:1:1:1の比率)

  • 140mg/4週毎(用量漸増なし)
  • 280mg/4週毎(用量漸増なし)
  • 420mg/4週毎(用量漸増なし)
  • プラセボ

3.3 用量漸増とは?

GLP-1受容体作動薬では、消化器系副作用(悪心、嘔吐など)を軽減するため、段階的に用量を増やす「用量漸増」が一般的です。本試験では、用量漸増の有無や期間による効果と安全性の違いも検討されました。

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4. Phase 2試験の結果:驚異的な体重減少効果

4.1 肥満コホートの結果

肥満のみの患者さん(2型糖尿病なし)465名を対象とした結果は、極めて良好でした。

📊 52週時点での体重変化率(肥満コホート)

プラセボ群

-2.5%

(95%信頼区間: -4.2 ~ -0.7)

Maritide投与群(用量により)

-12.3% ~ -16.2%

・最も効果が高かったのは420mg/4週毎(12週間漸増)
・用量依存性の体重減少効果を確認
・プラセボと比較して統計学的に有意な差

用量別の詳細結果

投与群 体重変化率 95%信頼区間
140mg/4週毎 -12.3% -15.0 ~ -9.7
280mg/4週毎 -14.2% 推定値
420mg/4週毎(12週漸増) -16.2% -18.9 ~ -13.5
420mg/8週毎 -13.5%前後 推定値
プラセボ -2.5% -4.2 ~ -0.7

4.2 肥満+2型糖尿病コホートの結果

2型糖尿病を合併している肥満患者さん127名の結果も、非常に良好でした。ただし、糖尿病非合併例と比較すると、体重減少効果はやや控えめでした。

📊 52週時点での体重変化率(肥満+糖尿病コホート)

プラセボ群

-1.7%

(95%信頼区間: -2.9 ~ -0.6)

Maritide投与群(用量により)

-8.4% ~ -12.3%

・最も効果が高かったのは420mg/4週毎
・糖尿病非合併例よりは効果が控えめだが、依然として有意な体重減少
・HbA1cも改善(後述)

用量別の詳細結果

投与群 体重変化率 95%信頼区間
140mg/4週毎 -8.4% -11.0 ~ -5.7
280mg/4週毎 -10.5%前後 推定値
420mg/4週毎 -12.3% -15.3 ~ -9.2
プラセボ -1.7% -2.9 ~ -0.6

4.3 血糖コントロールの改善(HbA1c)

2型糖尿病を合併している患者さんでは、体重減少だけでなく、血糖コントロールの指標であるHbA1c(ヘモグロビンA1c)も有意に改善しました。

投与群 HbA1c変化(%ポイント)
Maritide 140mg/4週毎 -1.2
Maritide 280mg/4週毎 -1.4前後(推定)
Maritide 420mg/4週毎 -1.6
プラセボ +0.1

※HbA1cの変化は、マイナスが大きいほど血糖コントロールが改善したことを示します。

4.4 体重減少目標の達成率

臨床的に意味のある体重減少として、5%以上、10%以上、15%以上の減量を達成した患者さんの割合も報告されています。

🎯 体重減少目標達成率(肥満コホート)

5%以上の減量:Maritide投与群で約90%が達成(プラセボ群では約30%)

10%以上の減量:Maritide投与群で約70-80%が達成(プラセボ群では約10%)

15%以上の減量:Maritide投与群の高用量群で約40-50%が達成(プラセボ群では数%未満)

5. 安全性と副作用

5.1 主な副作用

Maritideの副作用プロファイルは、他のGLP-1受容体作動薬と概ね同様でした。最も多く報告されたのは消化器系の副作用です。

副作用 頻度・特徴
悪心(吐き気) 最も多い副作用。用量漸増により軽減可能
嘔吐 悪心に次いで多い。低用量からの開始で軽減
下痢 一般的な消化器症状
便秘 胃腸運動の低下による
腹痛 軽度から中等度が多い

5.2 用量漸増の重要性

本試験の重要な発見の一つは、用量漸増によって副作用を大幅に軽減できることが示されたことです。

⚠️ 用量漸増による副作用軽減効果

用量漸増なし:消化器系副作用の発現率が高く、治療中止率も高い傾向

4週間漸増:副作用は軽減されるが、12週間漸増ほどではない

12週間漸増:最も副作用が少なく、治療継続率が最も高い。体重減少効果も最大

→ 結論:ゆっくりとした用量漸増が、効果と忍容性のバランスに優れている

5.3 治療中止率

副作用や個人的理由により治療を中止した患者さんの割合も報告されています。用量漸増群では中止率が低く、忍容性が良好であることが示されました。

5.4 重大な安全性シグナル

試験期間中、予期しない重大な安全性シグナルは認められませんでした(Jastreboff et al., 2025)。これは、Maritideの安全性プロファイルが他のGLP-1受容体作動薬と同様であることを示唆しています。

💡 安全性に関する重要事項

本記事で紹介した副作用情報は臨床試験で報告されたものです。Maritideは日本では未承認の薬剤であり、実際に使用される場合は医師の厳重な管理下で行われる必要があります。また、GLP-1受容体作動薬には、甲状腺髄様癌のリスクを高める可能性が動物実験で示されているため、甲状腺髄様癌の既往または家族歴がある方は使用できません。

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6. 既存薬との比較:Maritideの海外試験結果から見る特徴

6.1 投与頻度における優位性

Maritideの最大の特徴は、月1回の投与で十分な効果が得られることです。これは、患者さんのQOL(生活の質)向上に大きく貢献します。

セマグルチド
(ウゴービ)

週1回

年間52回の注射

チルゼパチド
(マンジャロ)

週1回

年間52回の注射

Maritide
(マリタイド)

月1回

年間12回の注射
→ 注射回数が約1/4に

6.2 体重減少効果の比較

各薬剤の主要臨床試験における体重減少効果を比較すると、以下のようになります。

薬剤名 投与頻度 平均体重減少率 試験期間
セマグルチド 2.4mg 週1回 約-15% 68週
チルゼパチド 15mg 週1回 約-20% 72週
Maritide 420mg 月1回 約-16% 52週

※各薬剤の主要臨床試験結果に基づく。試験デザインや対象者の特性が異なるため、直接比較には注意が必要。

6.3 Maritideの独自性まとめ

✅ Maritideの優位性

  • 月1回投与:患者負担が少なく、アドヒアランス向上
  • 長時間作用:抗体構造により半減期が長い
  • 独自機序:GIP拮抗という新しいアプローチ
  • 高い効果:約16%の体重減少

⚠️ 考慮すべき点

  • 開発段階:Phase 2段階で未承認
  • 副作用:消化器症状は他剤と同様に存在
  • 長期安全性:より長期のデータが必要
  • 費用:価格は未定(抗体製剤は一般に高額)

7. 今後の展望:Phase 3試験と承認への道

7.1 Phase 3試験の重要性

Phase 2試験で良好な結果が得られたMaritideですが、実際に承認されるためには、より大規模なPhase 3試験を成功裏に完了する必要があります。

🔬 Phase 3試験で検証すべき事項

1. 有効性の再現性:より多くの患者さんで体重減少効果を確認

2. 長期安全性:2年以上の長期投与における安全性データ

3. 心血管イベント:心筋梗塞や脳卒中などのリスク評価

4. 特定集団での効果:高齢者、腎機能低下者などでの有効性・安全性

5. 体重維持:減量後の体重維持効果の検証

7.2 承認までのタイムライン(予想)

Amgen社は、Maritideの開発を積極的に進めています。承認までの想定されるタイムラインは以下の通りです。

  • 2025年:Phase 2試験結果発表(完了)
  • 2026-2027年:Phase 3試験の実施
  • 2028-2029年:FDA(米国食品医薬品局)への承認申請
  • 2029-2030年:米国での承認取得(予想)
  • 2030年以降:日本を含む他国での承認取得(予想)

※上記はあくまで予想であり、試験結果や規制当局の判断により変動します。

7.3 肥満治療の未来

Maritideのような次世代肥満治療薬の登場により、肥満治療の選択肢は大きく広がりつつあります。

🌟 肥満治療の未来像

📅 投与頻度のさらなる低減

月1回、さらには数ヶ月に1回の投与で済む治療薬の開発

🧬 複数メカニズムの組み合わせ

GLP-1、GIP、グルカゴンなど複数の受容体を同時に標的とする治療薬

💉 経口薬の開発

注射ではなく、飲み薬として服用できる治療薬(既に開発中)

🧬 個別化医療

遺伝子情報や腸内細菌叢に基づいた、個々の患者さんに最適な治療選択

8. 臨床医の視点:Maritideの位置づけ

8.1 どのような患者さんに適しているか

Maritideが承認された場合、以下のような患者さんに特に適していると考えられます。

  • 週1回の注射が負担な方:月1回投与による負担軽減
  • 他のGLP-1薬で効果不十分だった方:異なる作用機序による効果の可能性
  • 2型糖尿病を合併している肥満の方:体重減少とHbA1c改善の両方が期待
  • 長期治療を希望する方:投与頻度が少なく継続しやすい
  • より強力な体重減少を希望する方:約16%の体重減少効果

8.2 治療における注意点

Maritideを使用する場合(将来的に承認された場合)、以下の点に注意が必要です。

⚠️ 治療における重要な注意事項

用量漸増の遵守:消化器症状を軽減するため、必ず段階的に用量を増やす

定期的なモニタリング:体重、血糖値、肝機能、腎機能などを定期的に確認

生活習慣の併用:薬だけに頼らず、食事療法・運動療法も並行して実施

副作用への対処:悪心・嘔吐が強い場合は医師に相談し、用量調整を検討

禁忌の確認:甲状腺髄様癌の既往・家族歴、妊娠中・授乳中の方は使用不可

8.3 肥満治療の総合的アプローチ

Maritideのような薬物療法は強力なツールですが、肥満治療は総合的なアプローチが最も重要です。

🍽️ 食事療法

  • カロリー制限
  • 栄養バランス
  • 食事タイミング

🏃 運動療法

  • 有酸素運動
  • 筋力トレーニング
  • 日常活動量増加

🧠 行動療法

  • 食行動の記録
  • ストレス管理
  • 睡眠の質改善

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M&B美容皮フ科クリニックでは、薬物療法だけでなく、食事・運動指導を含めた総合的なサポートを提供しています。

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9. まとめ:Maritideが切り開く肥満治療の新時代

📚 本記事の重要ポイント総まとめ

①革新的な分子構造:Maritideはペプチド–抗体複合体という独自の構造を持ち、月1回投与で長時間作用を実現

②二重のメカニズム:GLP-1受容体作動とGIP受容体拮抗を組み合わせた新しいアプローチ

③優れた体重減少効果:Phase 2試験で最大16.2%の体重減少を達成(肥満コホート、52週時点)

④糖尿病にも効果:2型糖尿病合併例でも体重減少(最大12.3%)とHbA1c改善(-1.2~-1.6%ポイント)

⑤忍容性の向上:12週間の用量漸増により副作用を軽減し、治療継続率を向上

⑥良好な安全性:予期しない重大な安全性シグナルは認められず、既存GLP-1薬と同様の副作用プロファイル

⑦未来への期待:Phase 3試験の成功により、2029-2030年頃の承認が期待される

Maritideは、肥満治療の分野において真に革新的な治療薬となる可能性を秘めています。月1回という投与頻度の少なさは、患者さんのQOLを大きく改善し、長期的な治療継続を容易にするでしょう。また、GIP受容体拮抗という新しい作用機序は、従来の治療で効果不十分だった患者さんにも新たな選択肢を提供する可能性があります。

ただし、現時点ではPhase 2段階であり、日本を含め世界中のどの国でもまだ承認されていません。Phase 3試験の結果を待ち、長期的な有効性と安全性が確認されることが重要です。

肥満は、単なる見た目の問題ではなく、2型糖尿病、高血圧、脂質異常症、心血管疾患など、多くの深刻な健康問題と関連する慢性疾患です。Maritideのような効果的な治療薬の登場により、より多くの患者さんが健康的な体重を達成し、生活の質を向上させることができる未来が近づいています。

🏥 M&B美容皮フ科クリニックからのメッセージ

当院では、最新のエビデンスに基づいた肥満治療を提供しています。Maritideは現時点で日本では使用できませんが、ウゴービ(セマグルチド)などの承認済みGLP-1受容体作動薬による治療が可能です。肥満でお悩みの方、2型糖尿病を合併している方、これまでのダイエットで効果が得られなかった方は、ぜひ一度ご相談ください。医師が丁寧にカウンセリングを行い、お一人おひとりに最適な治療プランをご提案いたします。

よくある質問(FAQ)

現時点では、MaritideはPhase 2試験段階であり、日本ではまだ承認されていません。今後Phase 3試験を経て、規制当局への承認申請が行われる予定です。

一般的なタイムラインとして、米国での承認は2029-2030年頃、日本での承認は2030年以降になる可能性があります。ただし、これはあくまで予想であり、試験結果や規制当局の判断により変動します。

現在は、ウゴービ(セマグルチド)などの既承認GLP-1受容体作動薬による治療が可能です。

主な違いは以下の3点です:

1. 投与頻度

ウゴービやマンジャロは週1回の投与が必要ですが、Maritideは月1回の投与で済みます。これにより注射回数が年間52回から12回に減少します。

2. 作用メカニズム

ウゴービはGLP-1受容体のみ、マンジャロはGLP-1とGIPの両方を活性化します。一方、MaritideはGLP-1を活性化しつつ、GIPを拮抗(阻害)するという独自のアプローチです。

3. 分子構造

Maritideはペプチド–抗体複合体という大きな分子で、抗体の長い半減期により月1回投与が可能になっています。

Maritideの副作用は、他のGLP-1受容体作動薬と概ね同様です。最も多いのは消化器系の副作用で、以下のようなものがあります:

  • 悪心(吐き気)
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 便秘
  • 腹痛

重要なのは、用量を段階的に増やす(用量漸増)ことで、これらの副作用を大幅に軽減できることが試験で示されています。特に12週間かけてゆっくり増量した群では、副作用が最も少なく、治療継続率も高くなりました。

Phase 2試験では、予期しない重大な安全性シグナルは認められませんでした。

当院では、科学的根拠に基づいた肥満治療をご提供しています。Maritideは現時点で未承認ですが、以下のような治療が可能です:

  • GLP-1受容体作動薬:ウゴービ(セマグルチド)などの承認済み薬剤
  • 医師による総合的カウンセリング:食事・運動・生活習慣の改善指導
  • 定期的なモニタリング:体重、体組成、血液検査などによる効果確認
  • 個別化された治療プラン:お一人おひとりの状況に合わせた最適な治療

また、当院は完全都度払い制を採用しており、コース契約は一切ございません。ご自身のペースで無理なく通院いただけます。

詳しくは、LINEまたはお電話にてお気軽にお問い合わせください。土日祝も診療しております。

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参考文献

  1. Jastreboff, A.M., Ryan, D.H., Bays, H.E., Ebeling, P.R., Mackowski, M.G., Philipose, N., Ross, L., Liu, Y., Burns, C.E., Abbasi, S.A. and Pannacciulli, N. (2025) ‘Once-Monthly Maridebart Cafraglutide for the Treatment of Obesity — A Phase 2 Trial’, New England Journal of Medicine, 393(9), pp. 843-857. doi: 10.1056/NEJMoa2504214.
この記事を監修したドクター

川嶋 俊幸

Toshiyuki Kawashima

資格・所属学会

  • 臨床医学博士
  • 日本脳神経外科学会 専門医
  • 日本癌学会
  • 日本てんかん学会
  • 日本定位・機能神経外科学会
  • 日本脳腫瘍学会
  • 日本認知症学会
  • 日本脳卒中学会
  • 日本脳神経血管内治療学会
  • 機能的定位脳手術技術認定医
  • American association for cancer research (US)
  • The Society for Neuro Oncology (US)

略歴

平成18年 4月
大阪市立大学医学部医学科 入学
平成24年 3月
大阪市立大学医学部医学科 卒業
平成24年 4月
市立島田市民病院臨床研修医
平成26年 4月
大阪市立大学医学部附属病院脳神経外科前期臨床研究医
平成27年 4月
大阪市立大学大学院医学研究科博士課程 入学
守口生野記念病院脳神経外科医師
平成30年 4月
大阪市立総合医療センター脳神経外科シニアレジデント
平成31年 3月
大阪市立大学大学院医学研究科博士課程 卒業
平成31年 4月
大阪市立大学医学部附属病院脳神経外科後期臨床研究医
令和2年10月
大阪市立大学医学部附属病院脳神経外科病院講師
令和4年 4月
大阪市立総合医療センター脳血管内治療科医長
令和5年 4月
大阪公立大学医学部附属病院脳神経外科
この記事を監修したドクター

川嶋 俊幸

Toshiyuki Kawashima

資格・所属学会

  • 臨床医学博士
  • 日本脳神経外科学会 専門医
  • 日本癌学会
  • 日本てんかん学会
  • 日本定位・機能神経外科学会
  • 日本脳腫瘍学会
  • 日本認知症学会
  • 日本脳卒中学会
  • 日本脳神経血管内治療学会
  • 機能的定位脳手術技術認定医
  • American association for cancer research (US)
  • The Society for Neuro Oncology (US)

略歴

平成18年 4月
大阪市立大学医学部医学科 入学
平成24年 3月
大阪市立大学医学部医学科 卒業
平成24年 4月
市立島田市民病院臨床研修医
平成26年 4月
大阪市立大学医学部附属病院脳神経外科前期臨床研究医
平成27年 4月
大阪市立大学大学院医学研究科博士課程 入学
守口生野記念病院脳神経外科医師
平成30年 4月
大阪市立総合医療センター脳神経外科シニアレジデント
平成31年 3月
大阪市立大学大学院医学研究科博士課程 卒業
平成31年 4月
大阪市立大学医学部附属病院脳神経外科後期臨床研究医
令和2年10月
大阪市立大学医学部附属病院脳神経外科病院講師
令和4年 4月
大阪市立総合医療センター脳血管内治療科医長
令和5年 4月
大阪公立大学医学部附属病院脳神経外科